リフォームプランナーのhanatomoです。
今回は、Material(仕上げ素材)について綴っていきたいと思います。
住宅のリフォームプランが決まり、キッチンや洗面などの設備を決める前に各部屋の床、壁、天井の素材を選定するのですが、その中で一番ベースとなるのが床材です。
そして、床材の中で最も使われる素材はフローリングです。
水廻りは塩ビシート(ビニール素材のシート)を採用することが多いので、リビングダイニングやベッドルーム、個室、廊下など…空間のほとんの部分を占める素材です。
そのため、床材は最も重要な空間のエレメント(要素)と言っても過言ではないと私は思います。
後から床だけリフォームしたいと思っても、設備機器や建具(扉)との兼ね合いで、簡単には変えられないケースも多く、最初の選定には、クライアントさんと時間をかけています。
フローリングの種類:材の構成からの分類
フローリングは大きくは、
無垢材(単層フローリング)と複合フローリングに分けられます。それらについては、各フローリングメーカーが紹介していますので、ここでは簡単に説明します。
無垢材(単層フローリング)
天然木の一枚板を切り出して加工した木材で、自然素材のため、一つ一つ素材のばらつきがあります。それが見た目には深い味わいを与え、また調湿や保温といった、天然木が持っている性能を楽しむことができるメリットがあります。
デメリットとしては、季節に合わせて膨張と収縮するので、隙間や反りが生じること。
また、水に弱いので濡れたままにしておくとシミや菌が発生するので、注意が必要です。フローリングの隙間にゴミがたまる、ということもあるようです。
それでも、無垢材フローリングの足ざわりは格別で、木の本来の風合いを楽しみ、大事にメンテナンスできる方にはおすすめです。

複合フローリング
合板などの基材の上に薄くスライスした化粧材を張貼り合わせたもので、化粧材によって主に下記のような3分類になります。
☑突板フローリング
☑シートフローリング
個々のフローリングについて解説します。
☑挽き板フローリング
天然木を鋸で挽いて切った、2mm程度の木材を基材に張り合わせたもので、無垢材の質感と複合フローリングの機能性を備えた、高級感のあるフローリングです。
コストは割高になります。

画像引用:朝日ウッドテック デジタルカタログ | 無垢フローリング・無垢材・無垢内装材|マルホン (mokuzai.com)
☑突板フローリング
薄くスライスした天然木の単板(突板)を基材の上に貼り合わせたもの。単板は0.5~0.2㎜程度と様々で樹種の種類も多く、一般の住宅に最も普及されているフローリングです。

☑シートフローリング
オレフィンや樹脂に、木目や石目などを印刷したものを基材に貼り合わせたもの。
印刷なので品質は安定して均一ですが、同じ柄が連続すると単調に見えるという欠点もあります。
メンテナンスしやすく耐久性があるので、賃貸マンションで多く採用されます。

画像引用:LIXIL
LIXIL | リビング・寝室・居室 | ラシッサ Sフロア直張り防音床・ラシッサ Dフロア直張り防音床 | 施工イメージ
フローリングの幅
幅は1枚ものの他、2P(ピース)、3P(ピース)とあります。
15cm程度と広めのものから7.5cmと狭めのものまで様々ですが、最近では幅広のものが主流です。長さは約1800程度です。


フローリングの種類:機能(使用場所)からの分類
木下地床用(主に戸建住宅・マンション二重床対応)
戸建住宅やマンションで床を組んだ二重床の場合に選定します。構成は基材と表面材の構成のフローリングです。

コンクリート下地用(直床対応)
主にマンションのコンクリートで仕上げた床に直接敷くタイプのフローリングで、基材の裏に防音クッションが貼られたものです。
歩くとフワフワした感触で、二重床用のフローリングの上を歩いた時との感触が違いが分かります。
マンションでは管理規約で床の遮音性能が決められているので、管理規約を確認して、それに合わせてたものを選定します。
遮音等級はLL-45またはLL-40のフローリングがありますが、大概、LL-45の場合が多いようです。

フローリングの付加価値:+αの機能について
床暖房対応フローリング
床暖房はリフォームのニーズとして多い要望です。フローリングも床暖房に対応したものが多くでています。
無垢材でも膨張収縮を抑える加工で床暖房に対応しているものが出ていますが、無垢材の特性やメンテナンスを理解してからの採用を私はすすめします。

ワックスフリー
ワックスがけの必要がなく、メンテナンスが簡単です。乾いた布で拭くだけで普段のお手入れが可能です。
介護やペット対応
ペットや高齢者対応の商品として、シートフローリングの表面に特殊コーティングを施し、耐久性を高めて、滑りにくく、汚れを落としやすくするなど、機能を持たせたフローリングです。
人やペットに優しい商品がこれからも増えそうですね。

上貼タイプ
厚さ約6mm程度と薄く、既設のフローリングの上に貼るタイプのフローリングです。
採用の時の注意点は、6mm程度床が上がるので、扉の下の高さや他の部屋との床の取り合い、玄関の框や窓との取り合いなど確認が必要です。
床暖房にも対応しているタイプのものもありますが、既設が床暖房の場合、釘でマットを傷める可能性があるので、使用がNGのものもあります。

画像引用:朝日ウッドテック アネックス ST-Sスーパー6|ANEX|朝日ウッドテック | 朝日ウッドテック (woodtec.co.jp)
水廻り対応タイプ
洗面所やトイレ用として、抗菌、耐摩耗性に優れている商品です。
幅は約30cmや45cmと幅広なので、継ぎ目が少なく、シミや汚れが発生しにくいのが特徴です。
床暖房に対応しているものもあります。
表面を加工しているため、ワックスはかけられませんので、お手入れは、固く水を絞った雑巾で拭き、その後カラ拭きします。
柄は木目調以外に、石目調のものがあり、シートフローリングのプリント技術の多様性が伺えます。

まとめ:注意点
この様にフローリングには各メーカーで豊富な種類がありますが、用途や使う場所によって選定するアイテムです。
また、インテリアのベースになるため、好みも大切にしつつ、他のエレメント(扉や設備機器など)を考慮して選定することも必要かと思います。
また、以下が選定の注意点です。
照明もなるべく太陽光に近い色で確認する。
☑ 選定した樹種の特性や色幅と経年変化を考慮しておく。
☑ できれば建築士やコーディネーターと使用する場所に適切な商品を選定する。
特にマンションの遮音等級は管理規約を確認して選定すること。
以上簡単ではありますが、フローリングのアレコレ・・・と紹介しました。
ショールームでご希望のフローリングに出会えるといいですね。
今回ご紹介した、フローリングメーカーは下記になります。
★無垢フローリング→マルホン
★挽き板・突板フローリング→朝日ウッドテック
★シートフローリング→LIXIL
インテリアコーディネートの観点からについては、また次に綴る予定です。
イマドキのラスティックなものをご紹介したいと思います。
ではでは、また~♪
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