Reform アレコレ:おひとり様のお城

living&dining

前回、プライベートルームのリフォーム事例を挙げて説明しました。
今回は、パブリック空間を主体にリフォームされた事例を説明します。

前回同様、竣工写真は掲載できませんが、プランニングのプロセスを
見ていただければと思います。

【クライアントさんについて】
 クライアントさんは50代のスポーツインストラクターの女性。
お母さまやお子様がいらっしゃいますが、お一人でお住まいです。

【マンションの概要】
リフォーム当時は築17年。
SRC造14階建ての7階部分で、約60㎡の都心のコンパクトなマンションです。
立地の特性として、窓から東京スカイツリーが一望できます。

【リフォームの動機】
私が設計を担当した案件のクライアントさんのお部屋をご覧になり、気に入られて
依頼がきました。

気に入られたのは、造作したマッサージベッド用の造作家具で、同じものが欲しい…
という要望でした。
造作家具という一部分でしたが、それを機にリフォームを決意されたそうです。

では、早速ご紹介しましょう。

こちらが既存のプラン。f:id:hanatomo17:20210313143649j:plain

【BEFORE 既存プラン】

リビングと和室がバルコニーに面していますが、ダイニングはリビングと3枚の引き違い戸で仕切られています。
また、和室は扉と壁で完全に独立していて、部屋が小分けになっているので、狭く感じられます。
恐らく2LDKとして、販売されたのだと推測できます。
この和室は、納戸の様に物があふれていて、足の踏み場がありませんでした…
では、リフォームの内容を説明します。

まずは、ご要望をヒアリングしました。

【ご要望】
リビングと和室の壁を撤去してワンルームにしたい。
リビングの一部にワーク&リラックススペースが欲しい。
リビングに壁面収納をレイアウトして収納スペースを確保したい。
納戸を使いやすくしたい。
⑤インテリアはハワイアンリゾートのような明るいイメージにしたい。

これらのご要望をベースに次の3案を提案しました。
イメージパースも作成してご提案しています。

【ご提案内容】

【A案】壁面に収納・家具をレイアウトして、リビングダイニングを広く使えるようにしたプラン。f:id:hanatomo17:20210313153734j:plain

f:id:hanatomo17:20210313154309j:plain
【B案】マッサージベッドをリビングの中心にレイアウトし、ワークスペースとリビングダイニングを緩やかに仕切ったプラン。f:id:hanatomo17:20210313154309j:plain

【C案】高さが低い収納でダイニングとリビングを仕切るプラン。f:id:hanatomo17:20210313154947j:plain

3プラン共通で、納戸の廊下に面した扉の幅を広げ、折れ戸で開けるようにしました。折れ戸をあければ、クローゼットが一望でき、廊下から洋服を選ぶことができます。
廊下を有効に活用することを目的としました。
お一人でお住まいなので、廊下も納戸の一部として活用することで、空間に+αの要素ができました!

ですが…この3案とも採用されませんでした!
理由は、3案ともクライアントさんの要望通りのプランでしたが、プラン決定の決め手に欠けていました。

そして、打合せをしていく中で、大きな一つのテーマを見つけました。

『キッチンを取り込んだ、LDKプランにする』

打合せをしてわかったことは、クライアントさんからのニーズだけではプランをすぐ決められないということです。
打合せを通して、更に本当のニーズを引き出し、新しい提案をしていくことがプラン決定には必要だと思いました。
クライアントさんとの打合せは、本当に勉強になりますね。

そして、こちらが決定した、リフォームプランです。f:id:hanatomo17:20210313161505j:plain【決定案】

独立したキッチンの壁を撤去し、ペニンシュラ型のキッチン一新して、リビングダイニングに取り込みました。
リビングダイニングの壁面にワーク&リラックススペースをレイアウトして、空間を有効に広く使えるようにしました。
納戸をウォークスルークローゼットに設え、廊下からもリビングダイニングからも、2WAYで使えるようにしました。
主寝室を一部玄関収納に取り込み、お手持ちのスーツケースも入れられる容量としました。
主寝室は、なるべく物を置かずに、ベッドをメインにレイアウト。
ゆったりと就寝できるようにしました。

この⑤については、既存の主寝室が物であふれていたので、納戸を有効的に活用することで解消できた結果、主寝室が本来の目的の就寝するための部屋になったということです。

いかがでしたか。
のようにリフォームプランナーはクライアントさんのニーズをヒアリングし、それをベースに提案して、打合せをします。
その中で、思いがけない方向に話が進み、よりニーズ以上の提案をするケースが多々あります。
それが設計者の醍醐味でもあり、やりがいのある仕事だと思います。
この案件は、クライアントさんが本当に喜ばれていました。

1年後伺った時、お住まいをご自分のお城のように大切になさっていて、とても嬉しかったです。
生活も快適で、ご家族が集まることが多くなったそうです。
そして、窓から眺めるスカイツリーの夜景は、格別とのことでした…

リフォームの力は凄いですね!
また事例をご紹介いたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました