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このブログはリフォームプランナーでもあるhanatomoが、介護のある暮らしを心地よくデザインする工夫を配信しています。
介護用品って、知らない間に増えていたり、逆に足りなくなっていたり…
介護をしている皆さんも、そんな経験よくありませんか?
オムツ、ガーゼ、お薬類などの介護に必要なものは、自分だけでなく看護師さんやヘルパーさんも利用するので、
「どこに何があるか、自分しか分からない…」
では、毎日の看護や介護に支障が生じてしまいかねません。
そうならないように、わが家で実際に行っている、「介護用品のかご分け収納」をご紹介します。
もちろん、介護をスタートしてすぐ満足のいく収納が実現したのではありません。
何回も見直しをして、現在のスタイルにたどりつきました。
この記事は、
【収納内部】日常空間をすっきりまとめるオーガナイザー【かご&バスケット編】
続編として、「介護用品」に特化した内容となっています。
わが家の事情:週5回の訪問看護と介護 毎日誰かが出入りする家
私は一級建築士として働きながら、脊髄小脳変性症の母(要介護5)を実家マンションで在宅介護しています。
我が家は、訪問看護師さんとヘルパーさんが週5回、理学療法士さんのリハビリが週3回、訪問入浴さんが週2回と、ほぼ毎日、誰かがわが家でケアをしてくれる、「チームで介護」の体制をとっています。
つまりわが家の収納は、「私だけが分かる」では事足りません。
「初めて来た看護師さんでも、迷わず必要なものを取れること」が効率よく介護を行うためには必須になります。
実は、私が介護に本格的に携わる以前は、収納場所がアバウトで、看護師さんやヘルパーさんにきちんと共有できていなかったようです。
高齢の父がメインで介護をしていたこともあり、介護用品を「わかりやすく収納する」ということまでできていませんでした。
そのため、オムツ交換時にストックがないことがあり、ヘルパーさんから、
「交換するオムツがありません…!」
と指摘を受けて、父が近くの薬局まで急いで買いに行くことがありました。
基本的にオムツは、住んでいる自治体から毎月点数を決められてその範囲内で支給されているので、
薬局に買いに行くことは少ないですが、薬局に買いに行くとなると、20枚以上のオムツが1つのパッケージの重い荷物を高齢の父が運ばなくてはなりません。
当時は現在ほど、 Amazonなどを上手に利用するという認識もなかったので、物品が不足していることで、チームの方の作業を止めてしまうことが多々ありました。
そのため、なるべく作業する皆さんの負担をかけず、それぞれのセクションの仕事を効率よく行えるよう、物品のストック収納から見直すことにしました。
大きなパッケージのオムツも、今ではAmazonに頼めば翌日には手に入ることも可能になりました。
ストック収納の答えは「かご分け」でした
見直してたどり着いた答えはシンプルで、ケアのカテゴリごとに「かご」を分けることでした。

わが家では、介護用品を大きく4つのカテゴリに分けています。
1. オムツ類(テープ式・パッド類)
2. 栄養
3. タオル類(清拭用)
4. お薬と浣腸
かごにはラベルを付けてわかりやすいようにすれば、引き出しに細かくしまい込むより、この方がずっと作業が早く、確実でした。
さらにわが家では、ストック用のかご分け以外の「置き場所」を2つ用意しました。
看護師さんが押して移動できる「ワゴン」とお薬や口腔ケアや吸引をセットに集約した「作業台」です。
カテゴリ別:4つのかごの中身

わが家は介護ベッドの横に隣接した南面腰窓下に、キャビネットがあります。
介護が始まる前に設置した家具で、ガラスの扉なので、母がお客様用のティーカップをレイアウトして、見せる収納としていました。
介護が始まってしばらくはカップが置かれていましたが、オムツのストックが足りないことが発生したので、カップ類をキッチンのカップボードに移動して、介護用品の収納として計画しました。
そこで、母のウォークインクローゼットに使っていた、「かご」 を介護用品の収納に転用しました。
①オムツ類:種類により「かご」をわける
使用頻度が最も高いオムツとパッドは、ベッドサイドのキャビネットにストックしています。パッドは種類別に収納し、パッケージから出しておくことで、片手でもサッと取れるようにしています。


7回用パット(緑)

我が家で使っているパットは3種類。それにテープ式のオムツを加えると4種類のオムツ類を使っています。
それぞれの種類をかごに収納するスタイルとなっています。
補充は月初に1回、自治体からの支給があるので、そのタイミングで行います。
この収納にしてから、オムツ類のストックの量を一目で確認できるので、なくなる前にストックを補充できています。
うれしいことに、オムツ交換時に「オムツがない!」ということがなくなりました。
②栄養:毎日2回の食事のストックはキャビネットの下段に
栄養もキャビネットのかごに収納しています。
毎日1日2回、かごから取り出して胃ろうへ注入を行いますが、こちらにストックしておくことで一目で現在量がわかります。
栄養は母の食事ですので、足りないということがあってはなりません。
この一目でストックの量がわかることが大切です。

また、宅配で届いた栄養は看護師さんがかごに収納するので、キャビネット下段とし、出し入れしやすいようにしています。
胃ろうの注入に使う備品(ボトル・シリンジなど)の収納は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
③タオル類:身体拭き用は上段のかごにまとめて取り出しやすく
介護にタオルは欠かせません。
看護師さんもヘルパーさんもオムツ交換時に温めたタオルを使って、おしも廻りを清潔にしています。
それに加えて、看護師さんは身体全体を薄手のタオルを使って清拭を行います。
タオル類も一つのかごにまとめて、キャビネット上段に収納しています。
かごにまとめることで、よりスピーディーに必要な分を取り出せるので使いやすくなりました。

④お薬と浣腸:ストックはキャビネットに
排便コントロールのケアは、主治医・看護師さんの指導のもと、決まった曜日に行っています。
主に看護師さんがケアをするので、浣腸は取り出しやすい2段目のかごに、ざっくりと収納しています。
外用薬は、イケアのソフトボックス「SKUBB」にお薬を種類ごとに分けてストックしています。
お薬は1か月に1回薬局さんから自宅に届き、看護師さんが確認して収納します。


ワゴンと作業台は「動く作業場」に
ケアで使うお薬は「一つにまとめること」が基本だと考えています。
わが家では専用の「ワゴン」と「作業台」にケアに使うお薬とオムツを集約しています。
内服・外用薬の置き場を分け、誰が見ても「今日の分」「いま使うもの」が分かるようにしています。
かご収納と並ぶ、わが家のもうひとつの主役が「キャスター付きワゴン」です。

おむつ交換の備品や塗り薬など、ベッドサイドのケアで使うものをワゴンに一式まとめておき、看護師さんがワゴンごとベッドサイドへ移動できるようにしています。
棚とベッドを何往復もする必要がなく、ケアの間、必要なものがすべて手元にある、いわば「動く作業場」です。ケアが終わればワゴンごと定位置に戻すだけなので、片付けも簡単です。



外用薬はヘルパーさんも使うので、ワゴンにオムツと外用薬の置場を集約すればベッドサイドの左右からケアができるので、とても効率的です。
作業台もキャスターがついて、ベッドとの距離を好みの位置に移動できます。
また、ガーゼ類の衛生材料は、ホコリを避けたいのでポリ袋のまま小さなかごに収納しています。
看護師さんが処置で使うものなので、すぐ使えるようキャビネットのカウンター上に、設置しています。一番よく使う「看護師さん目線」で配置を決めました。


毎日服用するお薬は、作業台の無印良品のポリプロピレンのケースに朝夕で分けてセット。
薬袋に朝夕でラベルの色が違い、日付も記載されているので、朝夕の薬を間違えたり服用を忘れることはありません。


建築士の視点:「迷わない収納」にはストーリーがある
建築士の視点として、収納計画に「ストーリー」を持たせました。
わが家の介護収納で意識しているのは、この3つです。
1. 動線:ケアが行われる場所から2歩以内
2.高さ:よく使うものはゴールデンゾーン(腰~目の高さ)に
3.少ないアクションで作業:見える・すぐ取れる・戻しやすい
1. 動線:ケアが行われる場所から2歩以内
オムツ交換はベッドで行われるので、オムツはベッドから手が届く範囲に。もちろん、「使う場所のそば」が大原則です。
収納を固定しないで、ワゴンのように、「収納のほうが動線に付いていく」 発想に切り替えます。
2. 高さ:よく使うものはゴールデンゾーン(腰〜目の高さ)に
介護をする人への優しいレイアウトも大切です。
かがんだり背伸びしたりせずに取れる高さは使い勝手のみならず、介護者の身体的負担を軽減します。
3. 少ないアクションで作業:見える・すぐ取れる・戻しやすい
かご収納は「見える・すぐ取れる・戻しやすい」の三拍子が揃っている優れた収納方法です。
また、収納量に合わせてかごの大きさを変えることも可能。収納するものに合わせて組み合わせが多彩です。
わが家のかごは介護のために新しく買ったわけではなく、元々母のクローゼットで、衣類や小物の収納に使っていたアイテムです。
かごの使い勝手はアイディア次第なのです。
収納は日々変化する、 母の状態とともに「育てる」もの
もうひとつお伝えしたいのは、「介護の収納は日々進化していくもの」ということです。
母の状態が変われば、使うケア用品も、ケアの内容も変わります。
わが家のかごの中身も、この11年で何度も入れ替わってきました。
だからこそ、作り込みすぎない「かご分け」が在宅介護には向いています。
かごの中身とラベルを差し替えるだけで、収納全体を組み替えられるからです。
例えば浣腸の使用をスタートした時、専用のかごを作るため、他のお薬類を見直して整理してまとめて、その空いたかごに収納しました。この様にかごを増やすだけでなく、空いたかごを他のアイテムに利用できます。
「かご分け」は、日々変わっていく「在宅介護のある暮らし」にピッタリの収納方法です。

わが家で使っている かご・バスケット紹介
それでは、わが家で実際に使っているかご・バスケットをご紹介します。
無印良品のかごを再利用していますが、ブリ材のかごは現在は取り扱いがなくなってしまったようです。ラタンのかごは定番のようで、ご存じの方も多いと思いますが、サイズ展開も多く、使いやすいアイテムです。
わが家も介護以外の使用を含めると、10年以上使っています。
高さのあるものはこちらに収納。
ガーゼなどの小物類はこちらに収納。持ち手用の開口が使いやすい。
お薬のストックに使ってます。
※価格は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ : 収納が整うと、ケアの空気も整う
介護用品のストック収納は、
☑ かごでカテゴリ分け+使う場所のそばにレイアウト。
☑ 日々ケアに使うものは、ワゴンと作業台に集約。
これだけで、看護師さんもヘルパーさんも、そして未来の自分も迷わなくなります。
そして収納は一度作ったら終わりではなく、都度、母の状態とともに見直して、育てていくものです。
完璧を目指す必要はありません。
まずは手持ちのかご1つから始めてみてはいかがでしょうか。
少しでも介護をする方の参考になったら、嬉しいです♪


